AIP基盤モデルの統合、データ管理、コンプライアンス
医療機器メーカーが Amazon Bedrock Knowledge Bases を使用して、FDA規制文書・臨床試験データ(PDF・Word形式、計50,000件)を管理するRAGシステムを構築しています。文書には患者の個人識別情報(PII)が含まれる可能性があり、コンプライアンス要件としてPIIをKnowledge Basesに取り込む前に検出・マスキングする必要があります。また、1日あたり数百件の新規文書が追加される運用を想定しており、パイプラインは完全に自動化する必要があります。このデータ取り込みパイプラインとして最も適切なアーキテクチャはどれですか?
AS3に文書をアップロード → AWS Glue ETLジョブで Amazon Comprehend の DetectPiiEntities API を呼び出してPIIを検出・マスキング処理 → マスキング済み文書を別S3バケットに保存 → Bedrock Knowledge Basesのデータソースとして設定し、定期スケジュールで自動同期を実行する
✓ 正解
Glue ETLはタイムアウト制約のないサーバーレスバッチ処理で、50,000件規模の初期取り込みと日次数百件の継続処理の両方に対応します。Comprehend DetectPiiEntities APIをGlueジョブ内から呼び出すことでPII検出とマスキングを自動化でき、スケジュール実行でパイプライン全体を完全自動化できます。
BS3に文書をアップロード → S3 Event Notification でLambdaを起動 → Lambda内でAmazon Comprehend DetectPiiEntities APIを呼び出してPIIをマスキング → 処理済み文書を別S3バケットに保存 → Bedrock Knowledge Basesのデータソースとして設定する
Lambdaは最大15分のタイムアウト制限があり、PDFのテキスト抽出処理とComprehend APIの呼び出しを組み合わせた場合、大容量ファイルや50,000件の初期取り込みバッチでタイムアウトが発生するリスクがあります。大規模バッチ処理にはGlue ETLが適切です。
CS3に文書をアップロード → Bedrock Guardrailsの「機密情報フィルタリング」ポリシーを有効化したKnowledge Basesのデータソースとして直接設定し、取り込みジョブ実行時にGuardrailsがPIIを自動検出・マスキングする
Bedrock Guardrailsの機密情報フィルタリングはモデルの推論フェーズ(レスポンス生成時)にPIIをマスキングする機能です。Knowledge Basesへのデータインジェスト(取り込み)フェーズでは動作しないため、ソースドキュメントのPII除去という要件を満たすことができません。
DS3に文書をアップロード → Amazon Macieでバケット全体をスキャンしてPII検出結果(Findings)を生成 → EventBridgeルールでFindingsをLambdaに連携 → LambdaがS3から原本を取得してPIIをマスキングし別バケットに保存する
Amazon MacieはS3バケット内のPIIを識別して検出結果を生成するサービスですが、PIIのマスキング・編集機能は持ちません。FindingsにはPIIの場所情報しか含まれないため、別途Lambdaでマスキング処理を実装する必要があり、アーキテクチャが複雑になります。
解説
AWS Glue ETL はサーバーレスの大規模バッチ処理に最適化されており、タイムアウト制約なく50,000件規模の文書処理に対応できます。Amazon Comprehend の DetectPiiEntities API はテキスト中のPIIエンティティ(氏名・住所・メールアドレス等)の種類と位置(オフセット)を検出するため、その結果を用いて該当箇所をマスキングできます。Glue ETL ジョブをスケジュール実行または S3 イベントトリガーで起動することで、PDFテキスト抽出・PII検出・マスキング・S3書き出しの一連パイプラインを完全自動化できます。
選択肢BのAWS Lambdaは最大15分のタイムアウト制限があり、大量のPDFファイルのテキスト抽出とComprehend API処理を組み合わせた場合、50,000件の初期取り込みや大容量PDFでタイムアウトリスクが生じます。
選択肢CのBedrock Guardrailsの機密情報フィルタリングは、モデル推論時(ユーザークエリへのレスポンス生成時)にPIIを検出・マスキングする機能です。Knowledge Basesへのデータインジェスト(文書取り込み)フェーズでは動作しないため、ソースデータのPIIマスキング要件を満たしません。
選択肢DのAmazon MacieはS3内のPII検出・アラートに特化したサービスですが、PIIのマスキング処理機能は持ちません。Findingsには検出場所のメタデータのみが含まれ、実際のマスキングには別途Lambda実装が必要となりアーキテクチャが複雑になります。
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