SCSインフラストラクチャのセキュリティ
ある決済処理企業のセキュリティチームは、PCI DSS準拠の要件として、本番環境で動作する決済処理EC2インスタンスのネットワークトラフィックをリアルタイムで監視する必要があります。以下の制約・要件があります:
・本番インスタンスへのソフトウェアインストールは禁止されている
・実際のパケットペイロードを含む深いパケット検査が必要
・既存の社内IDSアプライアンスにトラフィックを転送してリアルタイム解析を行う
この要件を最も適切に満たすソリューションはどれですか?
AVPC Flow Logsを有効化してすべてのトラフィックをCloudWatch Logsに送信し、Amazon Athenaでクエリを実行してパケット内容を分析する
VPC Flow LogsはIPアドレス・ポート・バイト数などのフローメタデータのみを記録し、実際のパケットペイロードは含まれない。PCI DSSが求める深いパケット検査の要件を満たせず、既存IDSへのリアルタイム転送もできない。
BVPC Traffic Mirroringを設定し、対象EC2インスタンスのENIをミラーソースとして、Network Load Balancerをターゲットに指定して社内IDSアプライアンスへパケットをコピー転送する
✓ 正解
エージェントレスで対象ENIから実際のネットワークパケットを丸ごとコピーし、NLBを経由して社内IDSアプライアンスへ転送できる。本番インスタンスへのソフトウェアインストールなしで、L7までのペイロードを含む深いパケット検査が可能。
CAWS Network FirewallにIDS/IPSルールグループを設定し、アラートログをCloudWatch Logsに転送して社内SIEMに取り込む
AWS Network FirewallはVPCのインラインでトラフィックを検査・フィルタリングするサービスであり、既存の社内IDSアプライアンスへ生パケットをコピー転送する機能を持たない。トラフィックフローの変更も必要になり要件を満たさない。
D対象EC2インスタンスのセキュリティグループに社内IDSアプライアンスのIPアドレスをインバウンド許可ルールとして追加し、パケットキャプチャソフトウェアで監視する
セキュリティグループへのIP追加はトラフィックの許可・拒否設定であり、ミラーリング機能ではない。パケットキャプチャを実現するには対象インスタンスへのエージェントソフトウェアのインストールが必要となり、セキュリティポリシーに違反する。
解説
VPC Traffic Mirroringは、EC2インスタンスのENIから実際のネットワークパケットをコピーし、指定したターゲット(別のENIまたはNetwork Load Balancer)に転送する機能。エージェントレスで動作するため、プロダクション環境へのソフトウェアインストール禁止要件を満たせる。
設定の流れ:
①ミラーソース(対象ENI)を指定
②トラフィックミラーフィルター(プロトコル・ポートで絞り込み)を設定
③ミラーターゲット(NLBまたは特定ENI)を指定して既存IDSへ転送
NLBを経由することで複数のIDSアプライアンスへ負荷分散しながら転送でき、実際のL2〜L7パケットデータを丸ごとコピーするためペイロード解析が可能。
選択肢AのVPC Flow LogsはIPアドレス・ポート・バイト数などのフローメタデータのみ記録し、実際のパケットペイロードは含まれない。
選択肢CのAWS Network FirewallはVPCのインラインでトラフィックを検査・遮断するが、既存の社内IDSアプライアンスへの生パケット転送機能はなく、トラフィックパス変更も必要になる。
選択肢Dはセキュリティグループ変更だけではトラフィックミラーリングは実現できない。社内IDSがパケットキャプチャするにはエージェントソフトウェアのインストールが必要で、要件に違反する。
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