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SCSデータ保護

ある証券会社が、米国SECのRule 17a-4に準拠するため、全取引記録をWORM(Write Once Read Many)ストレージに10年間保存することを義務付けられています。 要件として以下が指定されています。 ・保持期間中はAWSルートアカウントを含むいかなるユーザーもオブジェクトを削除・変更できないこと ・保持期間の短縮も禁止されること ・バケットへの削除操作はAPIレベルでエラーとして拒否されること 最もこの要件を満たすAWSの構成はどれですか?

A
S3バケットでバージョニングを有効化し、MFAデリートを有効化することで削除操作に多要素認証を要求する。S3ライフサイクルポリシーで現行バージョンの有効期限を10年に設定して自動管理する。
S3バージョニングとMFAデリートは削除の障壁を高めますが、MFA認証を通過した管理者は削除が実行可能です。またライフサイクルポリシーの有効期限設定はオブジェクトを期限後に自動削除するためWORM要件に反しており、SEC Rule 17a-4が求める「いかなる主体も削除不可」の要件を満たしません。
B
S3 Object Lockをガバナンスモードで有効化し、デフォルト保持期間を10年に設定したS3バケットに取引記録を保存する。IAMポリシーでs3:BypassGovernanceRetentionアクションを監査担当者のみに限定して管理する。
S3 Object Lockのガバナンスモードでは、s3:BypassGovernanceRetentionアクションを許可されたIAMユーザーが保持期間を変更・削除できます。「AWSルートアカウントを含む誰もが削除できない」要件を満たさないため、SEC Rule 17a-4準拠には不十分です。
C
Amazon S3 Glacierにデータをアーカイブし、Glacier Vault Lockポリシーでデータ削除を禁止するアーカイブ検索コントロールを設定してポリシーをロック状態にし、WORM要件を実現する。
Amazon S3 Glacier Vault LockはGlacierボールトに対するWORM保護を提供しますが、S3バケットのオブジェクトには直接適用できません。S3に保存した取引記録のWORM管理にはGlacier Vault Lockではなく、S3 Object Lockのコンプライアンスモードが必要です。
D
S3 Object Lockをコンプライアンスモードで有効化し、デフォルト保持期間を10年に設定したS3バケットに取引記録を保存する。コンプライアンスモードではAWSルートアカウントも保持期間中の削除・変更・保持期間の短縮ができない。
✓ 正解
S3 Object Lockのコンプライアンスモードは、AWSルートアカウントを含む一切の主体が保持期間中にオブジェクトを削除・変更・保持期間短縮できない唯一のモードです。削除操作はAPIレベルでエラーとして拒否され、SEC Rule 17a-4が求めるWORM要件を完全に満たします。

解説

S3 Object Lockのコンプライアンスモードは、保持期間中はAWSルートアカウントを含む一切の主体がオブジェクトの削除・変更・保持期間の変更を行えない最も厳格なWORM保護を提供します。削除操作はAPIレベルで拒否され、保持期間の短縮や保持モードのダウングレードも不可能です。SECのRule 17a-4やFINRAなどの金融規制が求める「管理者権限でも改ざん・削除不可」という要件に直接対応しており、第三者機関(Cohasset Associatesなど)による準拠評価でも広く認められています。なおObject Lockはバケット作成時に有効化する必要があり、後から有効化することはできない点に注意が必要です。 選択肢AのMFAデリートは削除操作の障壁を高めますが、認証さえ通れば削除が実行できるため「誰も削除できない」要件を満たしません。またライフサイクルポリシーの有効期限設定はオブジェクトを自動削除するためWORM要件に反します。 選択肢BのS3 Object Lockガバナンスモードは、s3:BypassGovernanceRetention権限を持つ管理者が保持設定を変更・無効化できるため、「ルートアカウントを含む誰もが削除できない」という要件を満たしません。 選択肢CのAmazon S3 Glacier Vault LockはGlacierボールト専用のWORM機能であり、S3バケットに保存されたオブジェクトには直接適用できません。S3バケット上でのWORM管理にはS3 Object Lockが必要です。

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