ある大手証券会社が、200社以上の取引先との間でSFTP/FTPSを使用したB2Bファイル交換基盤をオンプレミスから刷新する計画を進めています。現在は複数のレガシーSFTPサーバーで運用されており、日次で取引データ・決済ファイル・規制レポートを合計約3TB交換しています。以下の要件をすべて満たすAWSアーキテクチャを構築する必要があります。 ・取引先のSFTPクライアント設定(ホスト名・認証情報)を変更せずに移行すること ・一部取引先のファイアウォールホワイトリスト対応のためにAWS側の固定IPアドレスが必要 ・ファイル受信を契機として自動処理パイプラインを起動すること ・取引先ごとにデータを論理的に分離し、他社データへのアクセスを防止すること ・保管データの暗号化と全転送・認証イベントの監査ログが義務 要件を満たすために実施すべき施策を2つ選択してください。
AWS Transfer Familyは完全マネージドのSFTP/FTPS/FTPサービスであり、取引先側の設定変更なしにオンプレミスSFTPを置き換えられます。 選択肢AのVPCエンドポイント型サーバーはElastic IPで固定IPアドレスを確保でき、Route 53 CNAMEで既存SFTPホスト名をそのまま維持できます。Secrets Managerカスタムプロバイダーにより既存の取引先認証情報をそのまま移行でき、論理ホームディレクトリ機能でS3プレフィックスによる取引先ごとの完全なデータ分離が実現します。 選択肢BのEC2 + OpenSSHはパッチ適用・高可用性設定・スケーリングを自己管理する必要があり、Transfer Familyというマネージドサービスで実現できる要件を冗長な運用負荷で達成することになります。 選択肢CのS3イベント通知 + Lambdaは、ファイル受信をトリガーとした自動処理パイプライン起動に最適な構成です。KMSカスタマーマネージドキーで保管データ暗号化要件を満たし、CloudWatch Logs + CloudTrailで全イベントの監査ログ要件も充足します。 選択肢DのAWS DataSyncは定期スケジュールや移行タスク向けのデータ転送サービスであり、取引先が能動的にリアルタイムでアップロードするB2Bファイル交換インフラの代替として設計されていません。 選択肢EのPrivateLink + Direct Connectは200社以上の外部取引先全員がDirect Connect回線を持つことを前提とするため現実的でなく、IAM Identity CenterはEnterpriseシングルサインオン向けであり外部SFTP取引先の認証管理には不適切です。