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SAP新しいソリューションのための設計

ある小売企業は、モノリシックな注文管理システムを ap-northeast-1(東京)の Amazon EC2(Auto Scaling グループ)と Amazon RDS for PostgreSQL(Multi-AZ)上で運用しています。事業継続計画の見直しにより、リージョン全体の障害に備えたクロスリージョン DR の構築が求められました。要件は RTO 30分以内、RPO 5分以内です。一方で経営層はコスト圧縮を強く求めており、平常時に本番と同規模の環境をターゲットリージョンで常時稼働させることは認められません。また DR 環境の維持運用の手間も最小化したいと考えています。これらの要件を最もコスト効率よく満たす DR 戦略はどれですか。

A
AWS Elastic Disaster Recovery で本番 EC2 をターゲットリージョンの低コストなステージング領域へブロックレベルで継続レプリケーションし、RDS はクロスリージョンリードレプリカを配置する。災害時に DRS で本番同等インスタンスを起動しレプリカを昇格する
✓ 正解
DRS はブロックレベル継続レプリケーションで RPO 秒〜分を実現し、平常時は低コストなステージング領域のみを維持するためコスト要件を満たす。RDS リードレプリカ昇格と組み合わせ RTO 30分/RPO 5分を運用負荷を抑えて達成できる。
B
AWS Backup で日次スナップショットを取得してクロスリージョンコピーを有効化する。災害発生時にはターゲットリージョンで最新バックアップから EC2 と RDS を復元し、Amazon Route 53 のフェイルオーバールーティングでトラフィックを切り替える
日次スナップショットのため RPO が最大24時間となり RPO 5分を満たせない。バックアップからの EC2・RDS 復元にも相応の時間を要し、RTO 30分の達成も困難で、要件全体を満たさない。
C
ターゲットリージョンに本番と同一台数の EC2 Auto Scaling グループと Multi-AZ RDS を常時稼働させ、アプリケーションデータを双方向レプリケーションする。Amazon Route 53 のレイテンシールーティングで両リージョンにトラフィックを分散する
本番と同一規模の環境を常時稼働させるマルチサイトアクティブ構成は「本番同規模の常時稼働は認めない」という制約とコスト圧縮要件に真っ向から反する。双方向レプリケーションの構築・運用も複雑で過剰である。
D
ターゲットリージョンで RDS クロスリージョンリードレプリカのみを常時稼働させ、EC2 は AMI を定期作成して停止状態で保持する。災害時に AWS CloudFormation で最小構成を起動した後、手動でスケールアウトを実施する
停止状態の EC2 を災害時に CloudFormation で起動し手動スケールアウトする方式は、起動から本番容量到達・切り替えまで手作業が多く RTO 30分の達成が不確実。運用の手間を最小化したい要件にも合致しない。

解説

AWS Elastic Disaster Recovery(DRS)はブロックレベルの継続的レプリケーションを行い、ターゲットリージョンでは安価なステージング領域(小型インスタンス+EBS)だけを維持するため、平常時コストを抑えつつ RPO 秒〜分、RTO 数分〜数十分を実現できます。RDS はクロスリージョンリードレプリカで非同期レプリケーションのラグが通常数秒〜数分に収まり、昇格することで RPO 5分を満たせます。本番同規模の常時稼働を避けつつ RTO 30分/RPO 5分を満たす、Warm/Pilot Light 相当の最もバランスの良い構成です。 選択肢の AWS Backup は日次スナップショットのため RPO が最大24時間となり、復元にも時間がかかるため RTO/RPO を満たせない。 選択肢のマルチサイトアクティブ構成は本番同規模を常時稼働させるため「同規模常時稼働は不可」という制約とコスト要件に反する。 選択肢の停止 EC2+手動スケールアウト構成は起動・スケール・切り替えを手作業で行うため RTO 30分の達成が不確実で、運用負荷も大きい。

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