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SAP組織の複雑さに対応する設計

ある多国籍小売企業のクラウドプラットフォームチームは、全社的なAWSアクセス管理を刷新しようとしています。 [現状] ・社員5,000名(15カ国)がオンプレミスの Microsoft Active Directory(AD)を認証基盤として使用 ・AWS Organizations 配下の120アカウントに対して、現在は各アカウントに IAM ユーザーが個別に作成されており、人事異動のたびに手動で修正が発生している [要件] ① 既存のオンプレミス AD のグループメンバーシップに基づいて動的に AWS アクセス権を制御する ② 開発者は担当する開発アカウントにはフルアクセス、対応する本番アカウントには読み取り専用アクセスを持つ ③ AD グループへの変更(昇格・剥奪)が1時間以内に AWS アクセス権に反映されること ④ コンプライアンス要件:全アクセスを AWS IAM ユーザー名ではなく AD 上のユーザー識別子(sAMAccountName:Active Directory が各ユーザーに付与する一意のログオン名)で監査ログに記録する ⑤ 運用オーバーヘッドを最小化する これらの要件をすべて満たす最も適切なソリューションはどれですか?

A
AWS Directory Service AD Connector を設定してオンプレミス AD への LDAP(Lightweight Directory Access Protocol:ディレクトリサービスへのアクセスプロトコル)プロキシを構成する。IAM Identity Center のIDソースとして AD Connector を設定し、「Developer-FullAccess」と「Developer-ReadOnly」の2種類の Permission Set を作成する(各セッション継続時間を最大1時間に設定)。AD のチームグループと Permission Set および AWS アカウントをアカウント割り当てで紐付ける。IAM Identity Center は SAML セッションに AD の sAMAccountName を含めて CloudTrail に記録するため要件④を満たす。セッション継続時間を1時間に設定することで、AD グループ変更後は最大1時間以内に権限変更が有効化される(要件③)。
✓ 正解
AD Connectorはオンプレミス ADのLDAPプロキシとして機能し、ユーザー・グループ情報をAWSにコピーせず認証を委任するため、ADグループ変更が次回認証時に即時反映されます。Permission Setのセッション継続時間を1時間に設定することで既存セッションのクレデンシャルが1時間以内に失効し要件③を満たします。IAM Identity Center経由のCloudTrailログにはsAMAccountNameが記録され要件④を充足します。
B
各 AWS アカウントに ADFS(Active Directory Federation Services:Microsoft の SAML 2.0 対応フェデレーションサービス)を SAML IdP として個別設定する。チームごとの IAM ロールを各アカウントに手動作成し、SAML 属性から AD グループに基づくロール選択を実装する。CloudTrail の AssumeRoleWithSAML イベントに NameID(sAMAccountName)が記録されるため監査要件を満たす。フェデレーション認証時に AD のグループメンバーシップをリアルタイム評価するため権限変更は即時反映される。
ADFS直接統合は、120アカウントそれぞれへの個別SAML IdP設定が必要でスケールしません。
C
AWS Directory Service Managed Microsoft AD を ap-northeast-1 に構築し、オンプレミス AD との間に双方向の Forest Trust(フォレスト信頼:異なる AD フォレスト間でリソースを相互利用するための信頼関係)を構築する。IAM Identity Center の IDソースとして Managed AD を設定し、ABAC(Attribute-Based Access Control:属性ベースのアクセス制御)を活用して AD の department 属性をセッションタグとして引き渡す Permission Set を作成する。リソースタグ(env=dev/prod)との照合により環境ごとのアクセスレベルを動的に制御する。
Managed AD + Forest Trustは、維持費用とフォレスト信頼の管理など追加コストと高い運用オーバーヘッドが発生します。
D
Amazon Cognito ユーザープールを作成し、SAML フェデレーションでオンプレミス AD と連携する。カスタム Lambda オーソライザーで AD グループに基づく AWS STS AssumeRole を実行してテンポラリ認証情報を配布する。CloudTrail にはAssumeRole の呼び出し元として Lambda の IAM ロールが記録されるため、ユーザー単位追跡には別途カスタムログ実装が必要となる。
Amazon CognitoはBtoCアプリケーション向けのサービスであり、企業内IDガバナンスには適していません。

解説

AD Connectorはオンプレミス ADのLDAPプロキシとして機能し、ユーザー・グループ情報をAWSにコピーせず認証を委任するため、ADグループ変更が次回認証時に即時反映されます。Permission Setのセッション継続時間を1時間に設定することで既存セッションのクレデンシャルが1時間以内に失効し要件③を満たします。IAM Identity Center経由のCloudTrailログにはsAMAccountNameが記録され要件④を充足します。 選択肢BのADFS直接統合は、120アカウントそれぞれへの個別SAML IdP設定が必要でスケールしません。 選択肢CのManaged AD + Forest Trustは、維持費用とフォレスト信頼の管理など追加コストと高い運用オーバーヘッドが発生します。 選択肢DのAmazon CognitoはBtoCアプリケーション向けのサービスであり、企業内IDガバナンスには適していません。

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