SAP既存のソリューションの継続的改善複数選択
大手小売企業がAWS上で次のワークロードを運用しています。
・Webティア(EC2 m5.xlarge×80台):ビジネスアワーに集中するスパイキーなトラフィックパターンで平均CPU使用率60%(ピーク90%・深夜帯10%)
・バックグラウンド処理ティア(EC2 r5.2xlarge×60台):夜間バッチ主体で平均CPU使用率15%
・Amazon Aurora MySQL(db.r5.4xlarge):平均CPU使用率40%・メモリ使用率50%で安定稼働
すべてのEC2インスタンスはオンデマンド料金で、開発環境(EC2 m5.large×40台)も24時間365日稼働中です。前年比60%増のAWSコストを受けて、アーキテクチャ変更を最小限に抑えながら3ヶ月以内にコストを40%削減することが求められています。ソリューションアーキテクトが最優先で推奨すべき施策を2つ選んでください。
AAWS Compute Optimizerの推奨に基づいて全EC2インスタンスのタイプ・サイズを適正化し、AWS Instance Schedulerを使用して開発環境のEC2インスタンスを業務時間外(平日18時〜翌9時・土日祝)に自動停止するスケジュールを設定する。
✓ 正解
Compute Optimizerによる右サイジングはコード変更不要で即実施でき、CPU15%のバックグラウンドティアには大幅な削減余地がある。Instance Schedulerによる開発環境の自動停止は週の76%を停止できるため即効性が高く、3ヶ月以内という期限要件に合致した現実的なコスト削減策。
BWebティアのベースライン容量(深夜帯の最低稼働台数)に対して1年間のCompute Savings Plansを購入し、ピーク時の追加キャパシティはEC2 Auto ScalingグループにSpotインスタンスを組み合わせて変動分をカバーする。
✓ 正解
Compute Savings Plansはインスタンスファミリーや地域を問わず適用できる柔軟性があり、ベースライン分のコミットメント+Spot組み合わせはスパイキーなWebティアへのオンデマンド依存を排除して50〜70%のコスト削減を実現できる。3ヶ月以内に効果が出る即効性も高い。
C全EC2インスタンス200台に対して3年間・全額前払いのスタンダードリザーブドインスタンスを購入し、AuroraについてもReserved DB Instancesで3年間・全額前払い契約に変更してコミットメント割引を最大化する。
3年間・全額前払いRIは最大割引だが投資回収は3年間に分散するため3ヶ月での削減目標に寄与しにくい。スパイキーなWebティア全台への固定RI購入はピーク時以外のキャパシティを無駄にコミットするリスクがあり、需要変動の大きいワークロードへの適用として最適ではない。
Dバックグラウンド処理ティアのr5.2xlargeをすべてGraviton3(r7g.2xlarge)へ移行して1年間リザーブドインスタンスを購入し、Webティアは現状のm5.xlargeオンデマンドを維持したままAuto Scalingポリシーを最適化する。
Graviton3への移行は20〜40%のコストパフォーマンス改善が期待できるが、AMI互換性確認・アプリケーションテスト・段階的移行に3ヶ月以上要することが多い。Webティアをオンデマンドのまま維持する点で主要コスト要因への対処が不完全。
EEC2 Auto ScalingにCPU使用率70%のTarget Tracking Policyを設定してWebティアのスケール制御を改善し、AWS Cost Anomaly Detectionでコスト異常を自動検知してSNS経由でアラート通知を設定する。
Auto ScalingのTarget TrackingポリシーとCost Anomaly Detectionはガバナンスと効率化の改善に役立つが、既存インスタンスのオンデマンド料金体系を変えるものではなく、40%という大幅なコスト削減目標に対する直接的な貢献が小さい。
解説
3ヶ月以内に40%コスト削減を達成するには、即効性が高くリスクが低い施策の組み合わせが不可欠です。
AWS Compute Optimizerは機械学習を用いてEC2のCPU・メモリ・ネットワーク使用率を分析し、過剰プロビジョニングされたインスタンスの右サイジング推奨を生成します。バックグラウンド処理ティア(平均CPU15%)のr5.2xlargeは大幅なダウンサイジング余地があり、コード・アーキテクチャ変更なしで即座に実施できます。AWS Instance Schedulerによる開発環境の自動停止は週168時間中128時間程度(約76%)の停止が可能なため、開発環境コストを大幅に圧縮でき実装も容易です。
Compute Savings Plansはインスタンスファミリー・サイズ・OS・テナンシー・リージョンを問わず適用可能で、EC2・Lambda・Fargateの使用量に対して最大66%の割引を提供します。Webティアのベースライン分(深夜帯の最低台数)をSavings Plansでカバーし、スパイキーなピーク時の追加分はSpotインスタンスで賄うことで、オンデマンドと比較して50〜70%のコスト削減が見込めます。
選択肢Cの3年間・全額前払いRIは割引率が最大だが、3ヶ月の期限内では投資回収に時間がかかり、スパイキーなWebティア全台への固定RI購入はキャパシティを過剰コミットするリスクがある。
選択肢DのGraviton3移行は長期的に有効だが、互換性テストや段階移行に3ヶ月以上かかることが多く、Webティアをオンデマンドのまま維持するため主要なコスト要因への対処として不十分。
選択肢EのAuto Scaling改善とCost Anomaly Detectionは必要な改善だが、既存のオンデマンドコスト構造自体を変えないため40%削減の直接的な手段にはならない。
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