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SAPワークロードの移行とモダン化の加速

大手都市銀行が、約20年稼働するIBM z/OS メインフレーム上のCOBOL勘定系システムをAWSへ移行する計画を進めています。現行システムの規模は以下のとおりです。 COBOLプログラム約700本・総コード行数280万行 VSAM(Virtual Storage Access Method:メインフレームで使用されるファイルアクセス方式)データストア20TB 日次バッチ処理4,000本以上 ピーク時に毎秒4,000トランザクション処理 IT部門のスタッフはCOBOLに精通していますが、JavaやPythonなどのモダン言語の実務経験はほとんどありません。金融庁の規制要件によりすべての勘定トランザクションログを10年間保持する義務があります。経営方針として「既存COBOLコードの大規模な書き直しリスクを避け、段階的な移行で18ヶ月以内に完了する」ことが求められています。どの移行アプローチが最も適切か。

A
AWS Mainframe Modernization の Micro Focus ランタイム(Replatformアプローチ)を採用し、既存COBOLコードをほぼ無修正でAWSのマネージド実行環境へ移行する。VSAMデータはAWS Mainframe Modernizationのマネージドデータセット機能に移行し、CloudWatch LogsとS3 Glacier Deep Archiveを組み合わせて10年間のログ保持を低コストで実現する
✓ 正解
AWS Mainframe Modernizationの Micro Focusランタイムによるリプラットフォームは、COBOLコードをほぼ変更なしに実行できるため「書き直しなし・18ヶ月・COBOLスキル活用」の要件すべてに合致する。マネージドデータセットでVSAMを処理し、Glacier Deep Archiveで低コストな10年保持も一貫して実現できる
B
AWS Mainframe Modernization の Blu Age ランタイム(Refactorアプローチ)を採用し、COBOLコードをJava/Springアプリケーションに自動変換する。VSAMデータはAWS Database Migration Service(DMS)でAurora PostgreSQLに移行し、Amazon Data FirehoseでリアルタイムトランザクションログをS3に送信して10年間保持する
Blu Age(Refactor)アプローチは280万行を自動でJava/Springに変換するが、変換後の検証・テスト工数が膨大であり18ヶ月制約での完了が現実的でない。移行後のメンテナンスにJavaスキルが必要となり、COBOLに特化したIT部門には運用上の負担が大きくなる
C
EC2上にMicro Focus Enterprise Serverをセルフマネージドでインストールし、既存COBOLコードをLinux向けにクロスコンパイルしてリフト&シフト移行する。VSAMデータはAWS Storage Gateway(ファイルゲートウェイ)経由でS3に保存し、S3オブジェクトロック(Compliance mode)でイミュータブルな10年保持を設定する
EC2上へのMicro Focus Enterprise Serverセルフインストールは、OSパッチ・HA構成・バックアップなどすべてのインフラ管理を自己責任で行う必要があり、マネージドサービスと比較して運用コストが高い。AWS Mainframe Modernizationが提供するマネージド環境の利点を活かせない
D
すべてのCOBOLプログラムをPythonで手動書き直しし、AWS Lambda(プロビジョンドコンカレンシー)でバッチ・オンライン処理を統一実行する。VSAMデータはAWS Glueカスタムコネクタで変換してDynamoDB(オンデマンドモード)に移行し、DynamoDB StreamsとAmazon Data Firehoseで10年間のログをS3に保持する
COBOLからPythonへの手動書き直しは280万行の全面再実装を意味し、開発・テスト工数ともに膨大で18ヶ月での完了は非現実的である。Lambdaの最大実行時間(15分)が長時間バッチ処理に対して制約となり、4,000本のバッチすべてへの適用は困難な場合がある

解説

AWS Mainframe Modernizationサービスは既存メインフレームワークロードをAWSへ移行するマネージドサービスであり、2つの移行パターンを提供する。 ・Replatform(Micro Focusランタイム):既存COBOLコードをほぼ変更なしでAWSのマネージド環境で実行 ・Refactor(Blu Ageランタイム):COBOLコードをJava/Springに自動変換 このシナリオでは「COBOLスキルを持つIT部門」「書き直しリスクを避ける」「18ヶ月以内に完了」という制約すべてにReplatformアプローチが合致する。マネージドデータセット機能でVSAMデータを扱い、CloudWatch LogsとS3 Glacier Deep Archiveを組み合わせることで10年間のログ保持を低コストで実現できる。 選択肢BのBlu Age(Refactor)は自動変換ツールを使うものの、280万行のコード変換後の検証・テスト工数が膨大であり18ヶ月での完了は現実的でない。JavaスキルのないIT部門では移行後の運用も課題となる。 選択肢CのEC2セルフマネージド構成はOSパッチ・HA構成・バックアップをすべて自己管理する必要があり、AWS Mainframe Modernizationのマネージドサービスと比べて運用コストが高く費用対効果が低い。 選択肢DのPython手動書き直しは280万行COBOLを全面再実装するため最もリスクが高く18ヶ月以内の完了は不可能に近い。また、Lambdaの最大15分実行時間制限が長時間バッチ処理4,000本に対して制約となるケースがある。

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