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SAPワークロードの移行とモダン化の加速

ある大手損害保険会社が、15年以上稼働するオンプレミスのIBM WebSphere Application Server(WAS 8.5)上のSOAPベースのポリシー管理システムをAWSに段階的に移行する計画を策定しています。 現在の構成: ・IBM WAS 8.5上で稼働する32のSOAPサービス(認証、契約管理、保険金請求、代理店管理等) ・全国20,000以上の代理店が接続する代理店ポータルが既存SOAPエンドポイントを利用(URLの変更は契約上6ヶ月前の通知が必要) ・パートナー保険会社12社が本システムのAPIを業務統合に使用 ・Oracle Database 11g(5TB、2,000以上のパッケージ関数・ストアドプロシージャ) ・ピーク時のトラフィック:3,000 TPS、99.99%のSLAを維持 移行要件: ・ストラングラーフィグパターンを採用し、段階的にAWSへ移行(フェーズ1:認証サービス、フェーズ2:契約管理・代理店管理、フェーズ3:保険金請求) ・代理店ポータルおよびパートナーシステムへのSOAPエンドポイントURLの変更は移行期間中不可 ・Oracle DBのストアドプロシージャはAurora PostgreSQLに段階的に変換 ・移行完了まで最大18ヶ月、ダウンタイムゼロが必須 ストラングラーフィグパターンの実装として最も適切なアーキテクチャはどれですか?

A
AWS Direct ConnectでオンプレミスのWASとVPCを接続し、Network Load Balancerをフロントエンドプロキシとして配置する。NLBのターゲットグループに移行済みサービス(ECS Fargate)とオンプレミスWASを登録し、ウェイトを調整してトラフィックを段階的に移行する。既存のSOAPエンドポイントURLはRoute 53のエイリアスレコードでNLBのDNS名を指定して維持し、Oracle DBはSCTでDDLとストアドプロシージャを変換後、DMS継続的レプリケーションでAurora PostgreSQLと同期する。
Network Load Balancerはレイヤー4(TCP)ロードバランサーであり、SOAPエンドポイントのパスやXMLヘッダーに基づくAPIレベルのルーティングやカスタムドメイン管理機能を持ちません。ストラングラーパターンに必要な「特定のAPIパスを移行済みサービスへ、残りをオンプレミスへ」という細粒度のルーティング制御が困難なため、適切なストラングラープロキシとして機能しません。
B
AWS Direct ConnectでオンプレミスとVPCを接続し、Amazon API GatewayをSOAPプロキシとして配置する。カスタムドメイン名とAPIマッピングで既存のSOAPエンドポイントURLを維持し、移行済みサービスへのリクエストはVPC内のECS Fargateに転送する。未移行のサービスはVPC LinkとNLBを経由してオンプレミスのWASに転送する。Oracle DBはSCT+DMSのCDCモードでAurora PostgreSQLと継続的に同期し、ストアドプロシージャを段階的に変換する。
✓ 正解
API Gatewayのカスタムドメイン名とAPIマッピングで既存SOAPエンドポイントURLを変更せずに維持でき、VPC LinkでオンプレミスのWASへの透過的な転送も実現します。移行フェーズに応じてルーティング先をECS FargateとオンプレミスWASで切り替えるストラングラーパターンの実装として最適であり、SCT+DMS CDCでOracleとAurora PostgreSQLの整合性を維持しながら段階的に移行できます。
C
CloudFrontディストリビューションをエントリーポイントとして設定し、Lambda@Edgeでリクエストをオンプレミス(Direct Connect経由)またはECS Fargate(移行済みサービス)に動的にルーティングする。Route 53の加重ルーティングポリシーで段階的なトラフィック移行を制御し、既存のDNS名はCloudFrontのカスタムドメインとして維持する。Oracle DBはSCTでDDLをAurora PostgreSQL用に変換後、DMSでCDCレプリケーションを開始する。
Lambda@EdgeはCloudFrontエッジロケーションで動作し、レスポンスボディ5MB・リクエスト1MBの制限があるため大きなSOAPペイロードの処理に対応できない場合があります。CloudFrontはSOAP/XML処理のネイティブ機能を持たず、複雑なSOAPサービスのプロキシとして必要な認証・認可・WAF連携等の機能がAPI Gatewayと比較して不足しており、エンタープライズSOAPプロキシには不適切です。
D
AWS Application Migration Service(MGN)でWASサーバーをEC2にリフト&シフトし、稼働確認後に段階的にECS Fargateへとコンテナ化する。Application Load Balancerのターゲットグループで移行済みEC2コンテナと残存EC2インスタンスへのトラフィックを制御する。既存のSOAPエンドポイントURLはRoute 53のALBエイリアスレコードで維持し、Oracle DBは先にRDS for Oracleにリフト&シフト後、フェーズ2以降でSCT+DMSを使用してAurora PostgreSQLに変換する。
Application Migration Service(MGN)はサーバー全体のリフト&シフトに特化したサービスであり、ストラングラーフィグパターンが目指す個々のSOAPサービス単位での段階的な分離・移行とは手法が根本的に異なります。WASサーバー全体をEC2に移行後にコンテナ化するアプローチは実質的に一括移行となり、リスク低減というストラングラーパターンの目的を達成できません。

解説

選択肢BのAmazon API Gatewayはカスタムドメイン名(Custom Domain Name)とAPIステージマッピングにより、既存のSOAPエンドポイントURLを変更せずに維持できます。VPC Linkを利用することで、VPC内のNLBを経由してオンプレミスのWASに透過的にリクエストを転送でき、移行フェーズごとに振り分け先をECS Fargateとオンプレミスで柔軟に切り替えるストラングラーフィグパターンの実装に最適です。SCT+DMSのCDCモードはOracle DBとAurora PostgreSQLの継続的な整合性を保ちながら、ストアドプロシージャを段階的に変換・移行するための標準的な手法です。 選択肢AのNetwork Load Balancerはレイヤー4(TCP)ロードバランサーであり、SOAPエンドポイントのパスやXMLヘッダーに基づくAPIレベルのルーティングやカスタムドメイン管理機能を持たないため、ストラングラーパターンに必要な細粒度のトラフィック制御が困難です。 選択肢CのLambda@EdgeはCloudFrontエッジロケーションで実行され、レスポンスボディ最大5MB・リクエスト最大1MBの制限があるため大きなSOAPペイロードを処理できない場合があります。またCloudFrontはSOAP/XMLネイティブ処理機能を持たず、API GatewayのようなAPIプロキシとして必要な認証連携やWAF統合等の機能が不足しています。 選択肢DのApplication Migration Service(MGN)はサーバー全体のリフト&シフトに特化したサービスであり、個々のSOAPサービス単位での段階的な分離・移行というストラングラーフィグパターンの本質的な目的とは合致しません。WASサーバーをEC2に移行後にコンテナ化するアプローチは実質的に一括移行となり、移行リスクが高くなります。

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