SAP既存のソリューションの継続的改善
あるSaaS企業は、Amazon EKS 上でマイクロサービスを3つのアベイラビリティゾーンにまたがって運用しています。コスト分析の結果、月次AWS請求のうちデータ転送関連費用が突出しており、内訳は(1)サービス間のAZ間通信、(2)各 Pod が Amazon S3 と Amazon ECR からデータやコンテナイメージを取得する際に NAT ゲートウェイを経由することによるデータ処理料金、の2つが大半を占めていました。同社は『3 AZ構成による高可用性は維持する』『アプリケーションコードの変更は最小限にする』という制約のもとで、データ転送関連コストを削減したいと考えています。最も効果的な方法はどれですか。
AS3 用のゲートウェイ VPC エンドポイントと ECR・CloudWatch Logs 用のインターフェイス VPC エンドポイントを作成して NAT ゲートウェイ経由の通信を排除し、Pod のトポロジー認識ルーティングで同一 AZ 内の通信を優先させる
✓ 正解
ゲートウェイ VPC エンドポイントは S3 通信を無償で NAT 外に逃がし、インターフェイスエンドポイントは ECR/Logs の NAT 処理料金を排除する。トポロジー認識ルーティングが AZ 間通信を抑え、3 AZ 維持とコード無改修の制約を満たす。
B全てのワーカーノードと Pod を単一のアベイラビリティゾーンに集約してゾーン間のデータ転送料金を完全に排除し、ノードグループを縮小して NAT ゲートウェイの処理量も削減する
単一 AZ への集約はゾーン間転送料金を消せるものの、3 AZ による高可用性を維持するという明示的な制約に正面から違反する。可用性を犠牲にするためコスト以前に要件を満たさない。
CNAT ゲートウェイを自己管理の NAT インスタンスに置き換え、インスタンスタイプを大きくして処理データ量あたりの料金を下げつつ、S3 と ECR へのアクセス経路を継続させる
NAT インスタンスに替えてもトラフィックは依然 NAT を経由し、S3/ECR との通信や AZ 間転送の従量コストは残る。さらに自己管理によるパッチ・冗長化の運用負荷が増え、効果は限定的である。
Dクラスターの前段に Amazon CloudFront ディストリビューションを配置し、外部クライアントへのレスポンスをキャッシュしてオリジンへのデータ転送量を削減する
CloudFront は外部クライアント向けの南北トラフィックをキャッシュする仕組みで、コスト要因であるサービス間の東西通信や NAT 経由のイメージ・データ取得には作用せず、対象の費用を削減できない。
解説
S3 へのアクセスはゲートウェイ VPC エンドポイント(無料)で NAT ゲートウェイを完全にバイパスでき、ECR や CloudWatch Logs はインターフェイス VPC エンドポイントで NAT のデータ処理料金を回避できる。これによりイメージ取得・ログ送信に伴う NAT 経由のコストが消える。さらに Kubernetes のトポロジー認識ルーティング(Topology Aware Routing)でクライアント Pod を同一 AZ のエンドポイントへ優先的に振り向けることで AZ 間通信を削減できる。いずれも 3 AZ 構成を維持したままインフラ設定のみで実現でき、アプリ改修も不要である。
選択肢Bの単一 AZ 集約は転送費は減るが高可用性要件に明確に違反する。
選択肢Cの NAT インスタンス置き換えは依然としてトラフィックが NAT を経由し従量課金やゾーン間転送が残り、管理負荷も増す。
選択肢Dの CloudFront は外部向け(南北)トラフィック向けで、サービス間(東西)通信や NAT 経由のイメージ取得コストには効果がない。
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