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SAP組織の複雑さに対応する設計

ある金融系企業のプラットフォームチームは、AWS Organizations 配下の複数の開発アカウントで、各アプリケーションチームの開発者が自分たちで IAM ロール(Lambda 実行ロール等)を作成・管理できるようにしたい。一方でガバナンス部門は『開発者が作成するロールには、組織が定義した上限を超える権限(例:iam:* や organizations:* の付与、付与済み Permission Boundary の除去)を絶対に持たせてはならない』『開発者自身が自分の権限を昇格できてはならない』と要求している。開発者のセルフサービス性を維持しつつ、最小の運用負荷でこれを予防的に強制する設計はどれか。

A
開発者の IAM ポリシーで iam:CreateRole / iam:PutRolePolicy を許可するが、ロール作成時に組織指定の Permission Boundary のアタッチを iam:PermissionsBoundary 条件で必須化し、Permission Boundary の付け替え・削除と境界外権限の付与を Deny する
✓ 正解
iam:PermissionsBoundary 条件で組織指定の境界アタッチを必須化すると、開発者が作成するロールの実効権限は常に境界以下に抑えられ、境界の削除・付け替えと境界外付与を Deny すれば昇格も予防できる。セルフサービスと予防的ガバナンスを最小運用負荷で両立する。
B
SCP で開発アカウントの iam:CreateRole を全面的に Deny し、ロールが必要な場合は開発者がプラットフォームチームへ申請してチームが手動でロールを作成・払い出す運用にする
iam:CreateRole を SCP で全面 Deny すると開発者が自分でロールを作成できず、セルフサービスの要件を満たせない。申請ベースの手動払い出しはプラットフォームチームの運用負荷が大きく、要件に反する。
C
開発者に AdministratorAccess を付与したうえで、CloudTrail と AWS Config ルールで過剰な権限を持つロールを継続的に検出し、検出時に自動修復で権限を剥奪する
AdministratorAccess を付与した時点で開発者は自分の権限を昇格でき『昇格させない』要件に反する。Config ルールによる検出・修復は問題発生後に動く発見的統制であり、予防的に過剰権限を防ぐ仕組みにならない。
D
各開発アカウントを IAM Identity Center の permission set で集中管理し、ABAC のタグ条件のみで開発者が作成するロールの権限範囲を表現・制限する
IAM Identity Center の permission set と ABAC は開発者がサインインして引き受ける権限を制御するものであり、開発者が新規に作成する IAM ロールの権限上限を強制する機能ではない。ロール作成時の境界を保証できず要件を満たせない。

解説

権限の委任(開発者が自分でロールを作成)と昇格防止を両立する標準パターンが Permission Boundary である。 開発者に iam:CreateRole を許可しつつ、iam:PermissionsBoundary 条件キーで特定の境界ポリシーのアタッチを必須化すれば、作成されるロールの実効権限は常に境界以下に制限される。 さらに境界の付け替え・削除(iam:DeleteRolePermissionsBoundary 等)と自身のポリシー変更を Deny することで昇格も防げる。これは予防的かつセルフサービスを維持できる。 選択肢1は iam:CreateRole を全面 Deny するためセルフサービス要件を満たせず、手動払い出しは運用負荷も大きい。 選択肢2は AdministratorAccess を与える時点で昇格を許し、Config による検出は事後的(発見的)で予防にならない。 選択肢3の permission set/ABAC は開発者がログインに使う権限を制御するもので、開発者が新規作成するロールの上限を強制する仕組みではない。

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