ある製造業のグローバル企業は、AWS Organizationsで管理された80のAWSアカウントを保有しています。NetworkAccount という専用ネットワーク管理アカウントには、東京(ap-northeast-1)とバージニア北部(us-east-1)それぞれに1Gbps AWS Direct Connect接続があります。 [現状の課題] ・各 Workload アカウントがオンプレミスへの Site-to-Site VPN(合計80本)を個別に管理しており、BGP(Border Gateway Protocol:ネットワーク間のルーティングプロトコル)ルートテーブルが肥大化している ・SharedServices アカウント(Active Directory・DNS・監視ツール)へのアクセスが非効率 ・一部の Workload アカウント VPC 間で意図しない通信が発生している [要件] ① ネットワーク管理を NetworkAccount に完全集中化する ② 全 Workload アカウントの VPC がオンプレミスの東京・NY両拠点に到達できること ③ Workload アカウントの VPC 同士は直接通信不可(SharedServices アカウントの VPC 経由のみ許可) ④ SharedServices アカウントの各サービスは全 Workload アカウントの VPC からアクセス可能 ⑤ Workload アカウント側への設定変更を最小化する これらの要件を満たす最も適切なネットワーク設計はどれですか?
正解: NetworkAccount に Transit Gateway を作成し、AWS RAM(Resource Access Manager)で Transit Gateway を全 Workload アカウントおよび SharedServices アカウントと共有する。NetworkAccount に Direct Connect Gateway を作成して両リージョンの Direct Connect 仮想インターフェース(VIF)を関連付け、さらに Direct Connect Gateway を Transit Gateway に関連付ける。Transit Gateway に「Workload 用ルートテーブル」(オンプレミスと SharedServices VPC へのルートのみ)と「SharedServices 用ルートテーブル」(全宛先へのルート)の2種類を作成する。Workload アカウントの VPC アタッチメントを Workload 用ルートテーブルに関連付け、ブラックホールルートで Workload 間の直接通信を遮断する。 Transit Gateway を AWS RAM(Resource Access Manager)で Workload アカウントと共有することで、Workload アカウント側の変更は VPC アタッチメント追加のみに限定され、要件⑤(設定変更の最小化)を満たします。Direct Connect Gateway を Transit Gateway に関連付けることで単一の Direct Connect 接続から複数リージョン・複数 VPC へのルーティングが可能となり、要件②を実現します。2種類の TGW ルートテーブル(Workload用・SharedServices用)とブラックホールルートの組み合わせにより、Workload 間の直接通信を遮断しつつ SharedServices への双方向アクセスを許可できます(要件③④)。 選択肢B(アカウントごとの TGW Peering): アカウントごとに Transit Gateway を作成して Peering 接続する構成は、管理対象の Transit Gateway 数が倍増し運用が複雑になります(要件①⑤不適合)。 選択肢C(VPC Peering メッシュ): VPC Peering は推移的ルーティングに非対応であり、80 アカウント規模でのフルメッシュ構築はスケールしません。SharedServices 経由のみの通信制御も実装が困難です(要件③不適合)。 選択肢D(PrivateLink + 個別 Site-to-Site VPN): PrivateLink はサービスごとにエンドポイント設定が必要で管理が煩雑になります。また Workload アカウントごとに VPN を維持する点は現状の課題(80 本の VPN 管理)を解決しません(要件①不適合)。