SAP組織の複雑さに対応する設計
あるグローバル SaaS 企業は、ミッションクリティカルな取引処理ワークロードを ap-northeast-1 で稼働させ、データ層に Aurora PostgreSQL(書き込みは 1 リージョン)を使用している。事業継続要件として『リージョン全体障害時に RPO 1 秒以内・RTO 1 分以内で別リージョン(us-east-1)へフェイルオーバーできること』『平常時の追加コストとレプリケーション遅延を最小化すること』『フェイルオーバー後は昇格したリージョンで書き込みを受け付けられること』が定められた。これらを最も適切に満たす構成はどれか。
AAurora グローバルデータベースを構成して us-east-1 にセカンダリリージョンを追加し、リージョン障害時はマネージドのフェイルオーバー機能でセカンダリクラスターを書き込み可能なプライマリへ昇格する
✓ 正解
Aurora グローバルデータベースはストレージレベルの専用レプリケーションで複製ラグが通常 1 秒未満、マネージドフェイルオーバーで約 1 分以内にセカンダリを書き込み可能なプライマリへ昇格でき、平常時オーバーヘッドも小さく RPO・RTO・コストの全要件を満たす。
BAurora のクロスリージョンリードレプリカ(バイナリログベースの論理レプリケーション)を us-east-1 に作成し、リージョン障害時にそのレプリカを手動でスタンドアロンクラスターへ昇格する
バイナリログベースのクロスリージョンリードレプリカは論理レプリケーションのため複製遅延が大きく、手動昇格にも時間を要する。RPO 1 秒・RTO 1 分の厳しい目標を一貫して保証できず要件を満たせない。
CAurora の自動スナップショットを 1 時間ごとに us-east-1 へコピーし、リージョン障害時に最新のコピー済みスナップショットから新しいクラスターを復元して書き込みを再開する
1 時間ごとのスナップショットコピーは最大で 1 時間分のデータ損失(RPO 1 時間)が発生し、復元にも相応の時間がかかるため RTO 1 分も達成できない。RPO/RTO の両方で要件に大きく反する。
DAWS Backup でクロスリージョンバックアップを構成して us-east-1 へ定期コピーし、障害時にバックアップから復元したうえで DynamoDB Global Tables を併用して書き込みを継続する
AWS Backup のクロスリージョン復元は RPO・RTO ともに分単位を大きく超え要件を満たせない。さらに DynamoDB Global Tables は Aurora PostgreSQL の取引データの複製先として整合せず、構成として成立しない。
解説
Aurora グローバルデータベースはストレージレベルの専用レプリケーションでリージョン間を複製し、典型的なレプリカラグは 1 秒未満(RPO 1 秒程度)を実現する。
マネージドのフェイルオーバーによりセカンダリを 1 分程度で書き込み可能なプライマリへ昇格でき(RTO 1 分以内)、昇格後は書き込みを受け付けられる。
専用レプリケーションのため平常時のオーバーヘッドも小さく、コスト・遅延の最小化要件にも合致する。
選択肢1のバイナリログベースのクロスリージョンリードレプリカは論理レプリケーションで遅延が大きく、昇格にも時間がかかり RPO 1 秒・RTO 1 分を保証できない。
選択肢2のスナップショットコピーは RPO が最大 1 時間、復元にも時間を要し RTO 要件を満たせない。
選択肢3の AWS Backup 復元も RPO/RTO が長く、DynamoDB Global Tables は Aurora の取引データの複製先として整合せず不適。
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