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SAP組織の複雑さに対応する設計

ある保険会社は東京・大阪・フランクフルト・バージニア北部の4リージョンで事業を展開しており、各リージョンにワークロードごとの複数の VPC を異なるメンバーアカウントで運用している。オンプレミスの2つのデータセンターからはそれぞれ 10Gbps の AWS Direct Connect を敷設済みである。同社は、全リージョンの全 VPC 相互間およびオンプレミスとの間でルーティング可能な接続を実現し、リージョン間トラフィックも AWS バックボーン上で伝送したい。加えて、送信トラフィックの集中インスペクションを行うインスペクション VPC を各リージョンに設け、ネットワークチームが管理アカウントから接続を一元的に統制することを求めている。この要件を最も満たす設計はどれか。

A
各リージョンごとに Transit Gateway を作成してワークロードアカウントの VPC を AWS RAM 経由でアタッチし、Transit Gateway 間を Peering で接続する。オンプレミスは Direct Connect Gateway に Transit VIF を作成して各 Transit Gateway を関連付ける
✓ 正解
Transit Gateway をリージョンごとに作成し RAM 共有することでマルチアカウントの VPC を集約アタッチでき、TGW Peering でリージョン間、Direct Connect Gateway と Transit VIF でオンプレを冗長接続し、集中送信インスペクションも実現できる最適な設計である。
B
全リージョンの VPC 間を VPC Peering でフルメッシュ接続し、オンプレミスへは各データセンターの Direct Connect に Private VIF を作成して主要 VPC に直接接続する。送信トラフィックは各 VPC の NAT ゲートウェイで個別に処理する
VPC Peering は推移的ルーティング非対応で、VPC 数の増加に伴い必要な接続数が指数的に増え管理が破綻する。NAT を各 VPC に個別配置する構成は、送信トラフィックの集中インスペクション要件を満たせない。
C
単一リージョンに集約した Transit Gateway へ全リージョンの VPC を Inter-Region VPC Peering で接続し、オンプレミスは冗長化した Site-to-Site VPN を Transit Gateway にアタッチして伝送する
単一リージョンへの Transit Gateway 集約と Inter-Region VPC Peering の組み合わせは大規模なマルチリージョン接続に適さず、Site-to-Site VPN のみではオンプレミスの帯域および可用性の要件に不足する。
D
各 VPC に対して AWS PrivateLink のインターフェイスエンドポイントを作成して相互接続し、オンプレミスへは Direct Connect の Public VIF 経由で接続する。リージョン間は Global Accelerator で最適化する
PrivateLink は特定サービスを一方向で公開する仕組みで、VPC 間のフルメッシュなルーティング接続には使えない。Public VIF はパブリック AWS サービス向けで、プライベートなハイブリッド統合の主手段にはならない。

解説

リージョンごとに Transit Gateway を構築し AWS RAM でワークロードアカウントに共有すれば、各メンバーアカウントの VPC を一元的にアタッチでき、集中型の送信インスペクション VPC も同一 Transit Gateway に接続して実現できる。Transit Gateway 間 Peering でリージョン間を AWS バックボーン経由で接続し、Direct Connect Gateway に Transit VIF を関連付けることで、オンプレミスとの冗長かつスケーラブルなハイブリッド接続を構成できる。 選択肢1の VPC Peering は推移的ルーティングができずフルメッシュの管理が指数的に複雑化し、集中インスペクションも困難。 選択肢2の単一 Transit Gateway 集約は Inter-Region VPC Peering では大規模なリージョン間接続に不向きで、VPN のみでは帯域と可用性の要件を満たしにくい。 選択肢3の PrivateLink はサービス単位の一方向公開であり、VPC 間フルメッシュ接続の手段ではない。

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