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SAPワークロードの移行とモダン化の加速

ある地方銀行は、個人・法人勘定系業務を IBM Z シリーズメインフレーム上の COBOL/VSAM システムで運用しています。現在の構成と要件は以下のとおりです。 ・COBOL プログラム 1,200 本(合計 80 万行)、JCL バッチジョブ 300 本 ・VSAM KSDS・ESDS ファイルを主要データストアとして使用し、日次バッチで 300 万件の取引を処理 ・システム開発・保守チームは COBOL 経験平均 20 年の開発者 15 名で構成されており、Java・クラウドの実務経験はない ・金融規制当局により現行 COBOL プログラムの適合審査が完了済み。コード変更が生じた場合は新規プログラムと同等の扱いとなり、再審査に最低 6 ヶ月を要する ・メインフレームのハードウェア保守契約が 18 ヶ月後に終了するため、それまでの移行完了が絶対条件 ・長期的には 5 年計画でクラウドネイティブアーキテクチャへの段階的移行を予定しているが、当面の最優先事項はメインフレームハードウェアからの脱却と運用コストの削減 上記のすべての制約条件を満たす移行アプローチはどれですか?

A
AWS Mainframe Modernization の Micro Focus ランタイムを使用したリプラットフォームを実施する。既存の COBOL コードおよび JCL バッチジョブを無変更のまま AWS 上の Micro Focus Enterprise Server で実行し、VSAM データは Micro Focus の VSAM 互換レイヤー経由で Amazon RDS (PostgreSQL) に移行する。コードに一切変更を加えないため規制上の再審査が不要となり、18 ヶ月以内の移行が現実的に実現可能となる。
✓ 正解
Micro Focus ランタイムは COBOL コードを無変更で AWS 上で実行できるリプラットフォームアプローチであり、規制再審査を回避しつつ 18 ヶ月の期限内に移行を完了できる。VSAM も互換レイヤーで RDS に移行でき、既存チームのスキルセットを維持したまま保守を継続できる。
B
AWS Mainframe Modernization の Blu Age エンジンによるリファクタリングを実施する。COBOL プログラムを自動的に Java マイクロサービスへ変換し、VSAM データストアを Amazon DynamoDB にマッピングする。変換後のコードは Spring Boot アプリケーションとして AWS 上で動作し、長期的なクラウドネイティブ化の目標に合わせてアーキテクチャの近代化を一気に推進できる。
Blu Age による Java 変換は長期的なクラウドネイティブ化に有効だが、変換後コードは新規プログラムとして規制再審査が必要となる。チームに Java 経験がなく保守体制の構築に追加期間が必要で、18 ヶ月の期限内にすべての要件を満たすことが困難である。
C
AWS Application Migration Service (MGN) を使用してメインフレームエミュレーション環境を Amazon EC2 に lift-and-shift する。既存の COBOL コードを変更せずにクラウドへ移行するため規制再審査も不要になる。移行後は EC2 Auto Scaling により可用性を確保しつつ、現チームが既存スキルを活かしてシステムを保守できる環境を維持する。
AWS MGN は x86 の物理・仮想サーバーを EC2 に lift-and-shift するツールであり、IBM Z シリーズのメインフレームハードウェアには対応していないため、このシナリオへの適用は不可能。また、COBOL コードの実行環境は EC2 上に別途構築する必要がある。
D
COBOL プログラムを優先度に応じて段階的に AWS Lambda 関数へ手動書き換えし、VSAM データを Amazon DynamoDB に移行する。JCL バッチ処理は AWS Batch と AWS Fargate に置き換え、規制リスクを分散するため高優先度のプログラムから順次カットオーバーする計画を策定する。
80 万行の COBOL を Lambda に手動書き換えするには数年の開発期間が必要で、18 ヶ月の期限に間に合わない。完全な書き換えは新規開発として扱われ、全プログラムの規制再審査も必要となるため、複数の制約条件を同時に違反する。

解説

AWS Mainframe Modernization サービスのリプラットフォームパターン(Micro Focus ランタイム)は、既存の COBOL プログラムおよび JCL バッチジョブをコードを一切変更せずに AWS 上の Micro Focus Enterprise Server で実行可能にする。VSAM データは Micro Focus の互換レイヤーを通じて Amazon RDS (PostgreSQL) に移行されるため、アプリケーションは VSAM の読み書きをそのまま継続できる。 コードに変更が生じないため金融規制当局への再審査申請が不要となり、18 ヶ月の期限内での移行完了が現実的に達成可能となる。既存の COBOL 開発チームがスキルを変更せずに保守を継続できるため、移行後の運用リスクも最小化される。長期的なクラウドネイティブ移行は、リプラットフォーム完了後に段階的に取り組むことができる。 選択肢BのBlu Ageエンジンは、COBOL を Java に自動変換するが、変換後のコードは新規プログラムと扱われるため規制再審査(6 ヶ月以上)が発生する。またチームに Java・Spring Boot の経験がなく、変換後の保守体制構築に追加の時間とコストが必要となる。 選択肢CのAWS Application Migration Service (MGN) は、x86 ベースの物理サーバーや仮想マシンを Amazon EC2 に移行するためのサービスであり、IBM Z シリーズ等のメインフレームハードウェアには対応していないため、このシナリオには適用できない。 選択肢DのAWS Lambda への手動書き換えは、80 万行の COBOL コードを 18 ヶ月以内に完了させることは現実的に不可能であり、完全な書き換えは新規開発と同等の扱いとなるため全プログラムの規制再審査が必要となる。

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