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SAPワークロードの移行とモダン化の加速

ある大手都市銀行が、1990年代から稼働するIBM z/OSメインフレーム上の勘定系システムをAWSへ移行する計画を開始しました。このシステムはCOBOL/PL1で記述された日次・月次バッチ処理(約400万行のコード)、CICSベースのオンライントランザクション、VSAMファイルおよびIMSデータベースで構成されています。金融庁の規制要件として監査ログの完全性保持と24時間365日の可用性維持が必要です。移行プロジェクトのリスクを最小化するために、まず「メインフレームハードウェアからの脱却」を第1フェーズの目標として優先し、その後にクラウドネイティブ化を段階的に進める2フェーズ戦略を採用しました。移行リスクを最も抑えながらこの第1フェーズの要件を満たすAWSアーキテクチャはどれですか?

A
AWS Mainframe Modernization Service のリプラットフォームパターン(Micro Focus Enterprise Server互換ランタイム)を使用し、COBOL/PL1プログラムをコード変更なしにAWSマネージド環境で実行する。VSAMデータはS3ベースの互換レイヤーに、IMSはAmazon Aurora PostgreSQLにAWS DMSで段階移行し、CDCによる並行稼働後にカットオーバーする
✓ 正解
リプラットフォームパターンではCOBOL/PL1コードを変更せずにAWS上のMicro Focusランタイムで実行できるため第1フェーズのリスクを最小化できる。DMS CDCによる並行稼働期間を設けることでカットオーバーリスクも低減され、監査要件も現行動作のまま維持できる。
B
AWS Application Migration Service (MGN) のエージェントベースレプリケーションでz/OSメインフレームをAmazon EC2へリフトし、オープンソースのHercules COBOLエミュレーターで既存プログラムを実行する。VSAMデータはAWS Snowball Edgeで物理転送してAmazon S3に格納し、AWS Batchジョブで処理する
AWS MGNはx86/x64サーバーを対象とするサービスであり、IBM z/OSアーキテクチャにエージェントをインストールしてレプリケーションを行うことはできない。Herculesは非公式エミュレーターであり本番勘定系への適用は非現実的で金融規制要件も満たせない。
C
AWS Mainframe Modernization Service の自動リファクタリング機能(Blu Ageエンジン)で400万行のCOBOL/PL1コードをJavaに全自動変換し、Amazon EKS上のマイクロサービスとして展開する。VSAMをAmazon DynamoDBに、IMSをAmazon Neptuneに変換し、CICSトランザクションをAWS Lambda関数に置き換える
Blu Ageによる全自動コード変換は将来のモダナイゼーション手法として有望だが、400万行規模では変換後コードの正確性検証に膨大なテスト工数が必要で移行リスクが高く、「まず動かす」第1フェーズの手法としては不適切。
D
AWS Direct Connect経由でメインフレームデータをリアルタイムにAWSへストリーミングしながら、既存COBOLコードをPythonで段階的に書き直してAWS Lambda(バッチ処理)とAmazon ECS Fargate(オンライン処理)として実装する。データ移行はAWS DMS + AWS SCTでAmazon Aurora PostgreSQLに変換する
COBOLをPythonへ手動で書き直すアプローチは400万行の業務ロジックをゼロから再実装するため工数・テスト量・バグリスクがいずれも最大級となり、移行リスク最小化の要件に最も反する手法。

解説

AWS Mainframe Modernization Service のリプラットフォームパターンは、既存のCOBOL/PL1プログラムをコード変更なしにMicro Focus Enterprise Server互換ランタイム上でそのまま実行できるため、400万行のコード変換・検証リスクを排除しながらメインフレームハードウェアからの脱却を実現します。VSAMのS3互換レイヤーとAWS DMS CDCによる並行稼働でカットオーバーリスクを最小化でき、既存プログラムの動作を保持したまま金融庁の監査要件を継続して満たせます。 選択肢BのAWS Application Migration Service (MGN)はx86/x64ベースのサーバーを対象とするサービスであり、IBM z/OSメインフレームアーキテクチャには対応していないため使用できない。 選択肢CのBlu Ageによる自動リファクタリングは最終的なモダナイゼーション手法として有効だが、400万行の変換後コードの正確性検証には膨大なテスト工数が必要であり第1フェーズの手法としてリスクが高い。 選択肢DのPythonによる手動リライトは、400万行の業務ロジックをゼロから再実装するため工数・テスト量・バグリスクがいずれも最大級となり、移行リスク最小化の要件に最も反する。

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