ANSネットワーク管理と運用
ある企業は、オンプレミスデータセンターとAWSを接続するため、AWS Transit Gateway にアタッチした AWS Site-to-Site VPN を使用している。現在は1つのVPN接続で運用しているが、拠点からの集約トラフィックが単一トンネルの上限(約1.25 Gbps)に達し、パケットロスが発生している。カスタマーゲートウェイ機器は十分な処理能力を持ち、複数のパブリックIPアドレスを保有している。既存のVPNベースの接続方式を維持したまま、AWS側で集約スループットを引き上げる最も適切な方法はどれか。
ATransit Gateway で ECMP を有効化し、同一または複数のカスタマーゲートウェイに対して複数のVPN接続を作成して、トラフィックを複数トンネルに分散する
✓ 正解
Transit Gateway の ECMP は複数のVPN接続にまたがってトラフィックを分散でき、接続数を増やすことで単一トンネルの1.25 Gbps上限を超える集約帯域を実現できるため、要件を満たす唯一の方法である。
B単一のVPN接続内の2本のトンネルを同時にアクティブにし、両トンネルへ静的ルートで均等にトラフィックを振り分けて帯域を合算する
単一VPN接続の2本のトンネルはアクティブ/スタンバイの冗長構成が目的であり、両方を使って帯域を合算する構成はサポートされない。静的ルートでも上限は超えられない。
CVPN接続のMTUを1500バイトから拡大し、Path MTU Discovery を有効化してトンネルあたりのスループット上限を引き上げる
MTUの拡大やPath MTU Discovery はフラグメンテーションやオーバーヘッドの最適化に関わるが、AWSが定めるトンネルあたり約1.25 Gbpsという帯域上限自体を引き上げる効果はない。
Dより高いネットワーク性能を持つカスタマーゲートウェイインスタンスタイプへ変更し、単一トンネルの帯域上限の制約を解除する
1.25 Gbps はAWS側のVPNトンネルに課される上限であり、カスタマーゲートウェイの性能とは無関係である。機器を高性能化しても単一トンネルの帯域制約は解除されない。
解説
Site-to-Site VPN のトンネルはAWS側で1トンネルあたり約1.25 Gbpsという上限を持つ。Transit Gateway は ECMP(等コストマルチパスルーティング)に対応しており、同一のCIDRへ複数のVPN接続を関連付けると、トラフィックを複数トンネルに分散して集約スループットを線形に拡張できる。BGPベースのVPNで動的ルーティングを使う必要がある。
選択肢Bの単一VPN接続の2トンネルは冗長化(フェイルオーバー)用であり、合算による帯域拡張はサポートされない。
選択肢CのMTU拡大やPMTUDはフラグメンテーション回避には寄与するが、トンネルあたりの帯域上限そのものは引き上げない。
選択肢DのカスタマーゲートウェイのスペックはAWS側のトンネル帯域上限に無関係で、機器を強化しても1.25 Gbpsの制約は解除されない。
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