ANSネットワーク設計
あるセキュリティ重視の金融企業がAWSに移行する際、既存のサードパーティ製ネットワーク仮想アプライアンス(IDS/IPS・次世代ファイアウォール)を継続使用することが要件となっています。具体的な要件は以下の通りです。
①すべてのインターネット向けトラフィックをアプライアンスに透過的に通過させ、送信元・宛先IPアドレスを維持する
②アプライアンスを複数台でスケールアウトし、障害発生時に自動的に除外する
③複数のVPCから同一のアプライアンスプールを共有する
これらの要件を満たすAWSサービスの組み合わせとして最も適切なものはどれですか?
AAWS Network FirewallをセキュリティVPCに展開し、Transit Gateway経由で複数VPCのトラフィックを集中検査する。Network Firewallのステートフルルールグループにサードパーティのシグネチャを適用してIDS/IPS機能を実現する
AWS Network FirewallはAWSマネージドサービスであり、サードパーティ製の既存仮想アプライアンスEC2インスタンスを直接使用することはできません。既存アプライアンスの継続使用という要件を満たせないため不正解です。
BGateway Load Balancer(GWLB)をアプライアンスVPCに展開しアプライアンスEC2をターゲットグループに登録する。GeneveプロトコルでIPを透過維持しながらカプセル化転送し、Gateway Load Balancerエンドポイント(GWLBe)を各VPCに作成してルートテーブルでトラフィックを誘導する
✓ 正解
GWLBはGeneveプロトコルによる透過的カプセル化で送信元・宛先IPを維持し、ターゲットグループのヘルスチェックによる自動除外、GWLBe経由での複数VPC共有を実現します。すべての要件を満たす最適な構成です。
CApplication Load BalancerをアプライアンスVPC内に設置しリスナールールで各アプライアンスにトラフィックを分散する。VPCピアリングで複数VPCからアプライアンスVPCへ接続してインライン検査を実現する
ALBはHTTP/HTTPSのレイヤー7ロードバランサーであり、パケットの送信元・宛先IPが変更されます。ネットワーク透過性を必要とするIDS/IPSのインライン検査用途には対応していないため不正解です。
DNetwork Load BalancerをアプライアンスVPCに設置してTCPフローのスティッキー性でセッション継続性を維持し、AWS PrivateLinkでサービスとして公開することで各VPCのエンドポイント経由からアプライアンスに接続する
NLBとPrivateLinkの組み合わせはアプライアンスをエンドポイントサービスとして公開できますが、GeneveカプセルによるオリジナルIPの透過維持ができません。インライン検査として必要なフロー維持の透過性要件を満たせません。
解説
Gateway Load Balancer(GWLB)はサードパーティ製ネットワーク仮想アプライアンスを透過的にインライン挿入するために設計されたサービスです。GWLBはGeneve(UDP 6081)プロトコルでパケットをカプセル化し、元の送信元・宛先IPアドレスを維持したままアプライアンスへ転送します。アプライアンスが検査後にパケットを返すと、GWLBが元のフローに戻します。
Gateway Load Balancerエンドポイント(GWLBe)はサービスコンシューマーVPCに作成するVPCエンドポイントで、ルートテーブルでGWLBeを次のホップとして指定することでアプライアンスVPCにトラフィックを誘導できます。ターゲットグループのヘルスチェックにより障害アプライアンスの自動除外と、Auto Scalingによるスケールアウトも実現します。
選択肢AのAWS Network FirewallはAWSマネージドのファイアウォールであり、サードパーティアプライアンスEC2を使用することはできません。既存アプライアンス継続使用という要件を満たしません。
選択肢CのALBはHTTP/HTTPSレイヤー7ロードバランサーであり、送信元・宛先IPを維持した透過的なインライン検査ができません。
選択肢DのNLBとPrivateLinkの組み合わせはサービスを公開できますが、GeneveカプセルによるIP透過性がなくインライン検査の透過性要件を満たしません。
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