ANSネットワーク管理と運用
ある企業はオンプレミスデータセンターとAWS Transit Gateway間でBGPを設定済みのSite-to-Site VPN接続(IPsec)を1本運用している。現在の転送スループットが1.25Gbpsの上限に近づいており、短期間で約5GbpsのスループットをAWSとの接続に確保する必要があるが、Direct Connectの導入は半年後の予定である。コスト効率よくスループットを拡張する方法として最も適切なものはどれか?
A既存のSite-to-Site VPN接続に対してIPsecの暗号化アルゴリズムをAES-128からAES-256-GCMに変更し、スループットをハードウェアアクセラレーションで向上させる
IPsec暗号化アルゴリズムの変更は通信の暗号化強度に影響するが、VPN接続あたりのスループット上限(1.25Gbps)は変わらない。AES-256-GCMはAES-128より計算コストが高く、むしろパフォーマンスが低下するリスクもある。
BTransit GatewayのECMPサポートを有効化し、同一カスタマーゲートウェイから追加のSite-to-Site VPN接続を複数作成してBGPで等コストルートを広告する
✓ 正解
Transit GatewayのECMP機能により複数のSite-to-Site VPN接続を束ねてトラフィックを均等分散できる。4本のVPN接続を追加することで理論上5Gbpsを達成でき、短期間かつDirect Connectなしでスループットを拡張できる正しいアプローチ。
C既存のSite-to-Site VPN接続をVirtual Private Gateway(VGW)に移行し、VGWが提供するハイスループットVPN接続オプションで帯域を拡張する
VGWもVPN接続あたり同等の帯域制限があり、Transit GatewayのようにECMPで複数VPN接続を効果的に集約することはできない。VGWに「ハイスループットVPNオプション」は存在しないため誤り。
DTransit GatewayにVPN CloudHubを設定し、複数のリモートサイトを経由するハブアンドスポーク型VPN接続でスループットを複数経路から合算させる
VPN CloudHubは複数のブランチサイトをAWSを経由して相互接続するハブアンドスポーク構成のソリューションであり、単一拠点からAWSへの帯域を増加させる目的には使用できない。
解説
AWS Transit GatewayはECMP(Equal-Cost Multi-Path)をサポートしており、BGPを使用した複数のSite-to-Site VPN接続間でトラフィックを均等に分散できる。各VPN接続は最大1.25Gbpsのスループットを持つため、4本のVPN接続を作成してECMPを有効化することで理論上5Gbps相当の帯域を確保できる。Transit Gatewayのアタッチメント設定でECMPを有効化し、同一カスタマーゲートウェイ(CGW)から複数のVPN接続をBGPで等コストルートとして広告することで実現する。
選択肢AのIPsec暗号化アルゴリズム変更はセキュリティ強度の変更であり、VPN接続あたりの帯域上限(1.25Gbps)自体は変わらない。AES-256-GCMはAES-128より計算コストが高くなる場合もある。
選択肢CのVGW移行はVGWも同等のVPN帯域制限があり、Transit GatewayほどスケーラブルにECMPで複数接続を集約できない。VGWに「ハイスループットVPN接続オプション」は存在しない。
選択肢DのVPN CloudHubは複数のリモートサイト(ブランチオフィス)間をAWSを中継して接続するハブアンドスポークソリューションであり、単一拠点からAWSへのスループット増加には設計されていない。
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