無限ノック › ANS 練習問題一覧 › 問題ANS ネットワーク管理と運用
ある金融システムはAWS Direct Connect(東京リージョン、プライマリ接続)とSite-to-Site VPNをバックアップとして組み合わせたハイブリッド接続を構成している。現在のBGP Hold Timerはデフォルト設定(90秒)であるため、Direct Connect障害後にVPNへのフェイルオーバーが完了するまで60〜90秒を要しており、RTO(目標復旧時間)1分以内を達成できていない。フェイルオーバー時間を大幅に短縮するために最初に実施すべき設定変更はどれか。
A BGP Keepaliveタイマーを3秒・Hold Timerを9秒に変更してBGPレベルの障害検出を早め、Direct Connect障害からVPNへのフェイルオーバー時間を短縮する
BGP Hold Timerを9秒に短縮すると障害検出時間は改善されるが、BFDの300msには遠く及ばない。また過度に短いタイマー設定は一時的なパケットロスで誤フェイルオーバーが発生するリスクがあり、精度・速度ともにBFDに劣る。
B Direct ConnectのPrivate VIFでBFD(Bidirectional Forwarding Detection)を有効化し、300ミリ秒以内のリンク障害検出によってBGPフェイルオーバーを高速化する
✓ 正解
BFDはリンク障害を最短300ミリ秒で検出してBGPセッションを即座にダウンさせ、バックアップ経路へのフェイルオーバーをトリガーする。AWS Direct Connect Private VIFで正式サポートされており、RTO 1分以内の要件を確実に達成できる最適な手段。
C Amazon CloudWatchでDirect ConnectのConnectionStateメトリクスを定期監視し、障害検出時にAWS LambdaでVPCルートテーブルを自動更新してVPN経由に切り替える
CloudWatchメトリクスのConnectionStateは最短1分間隔のデータポイントであり、Lambda実行のオーバーヘッドを加えると合計2〜3分の遅延が発生する。リアルタイムの高速フェイルオーバーには不適切であり、RTO 1分以内を満たせない。
D Direct ConnectとSite-to-Site VPNを等コストマルチパス(ECMP)で常時アクティブにし、一方の障害発生時に残りの経路でトラフィックが自動継続する構成にする
Transit GatewayのECMPはSite-to-Site VPN接続同士での帯域集約に使用する機能であり、Direct ConnectとVPNを混在させてECMPで動作させる構成は通常サポートされない。フェイルオーバー時間短縮の解決策にはならない。
解説 BFD(Bidirectional Forwarding Detection)はRFC 5880で定義された軽量なHelloプロトコルで、BGPよりも高速にリンク障害を検出する。AWS Direct ConnectはPrivate VIFおよびTransit VIFでBFDをサポートしており、最短300ミリ秒での障害検出が可能。BFDがリンク障害を検出するとBGPセッションを即座にダウンさせ、バックアップ経路(Site-to-Site VPN)へのフェイルオーバーをトリガーする。デフォルトのBGP Hold Timer(90秒)と比較して検出時間を99%以上削減でき、RTO 1分以内の要件を確実に満たせる。
選択肢AのBGP Hold Timer短縮(9秒)も一定の効果があるが、検出に最低でもHold Timer値の時間がかかる上、過度に短い設定は一時的なパケットロスによる誤フェイルオーバーのリスクを高める。BFDの300msには遠く及ばない。
選択肢CのCloudWatchメトリクスのConnectionStateは最短1分粒度のデータポイントであり、Lambdaの実行オーバーヘッドを含めると合計2〜3分の遅延が発生してRTO要件を満たせない。
選択肢DのECMPはSite-to-Site VPN接続同士では機能するが、Direct ConnectとVPN混在環境でのECMP構成は通常サポートされておらず、フェイルオーバー短縮の解決策にはならない。
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