ある金融機関は、コンプライアンス要件に基づき、オンプレミス環境とAWSリージョン間の専用線接続において、データリンク層(レイヤー2)での暗号化を適用することを義務付けられています。この要件を満たすためにAWS Direct Connectを構成する場合、満たさなければならない前提条件はどれですか。
データリンク層(レイヤー2)におけるトラフィックの暗号化を実現する技術はMACsec(IEEE 802.1AE)です。AWS Direct ConnectでMACsecを利用するためには厳格な要件があり、特定のポート速度(10 Gbpsまたは100 Gbps)の「専用接続(Dedicated Connection)」である必要があります。1 Gbpsの接続や、AWS Direct Connectパートナーを経由する「ホステッド接続(Hosted Connection)」ではMACsecはサポートされていません。また、オンプレミス側のカスタマーゲートウェイルーターもMACsecをサポートするハードウェアを使用する必要があります。 選択肢BのIPsec VPNはネットワーク層(レイヤー3)での暗号化技術であり、データリンク層(レイヤー2)の暗号化という要件を満たしません。Direct ConnectゲートウェイとTransit Gateway間のVPNトンネルはDirect Connect回線自体のL2暗号化にはなりません。 選択肢Cのホステッド接続(Hosted Connection)はDirect ConnectパートナーがプロビジョニングするAWS接続であり、MACsecをサポートしていません。IEEE 802.1XはEAPベースのポート認証プロトコルであり、暗号化ではなく認証の仕組みであるためL2暗号化要件を満たしません。 選択肢Dのパブリック仮想インターフェイス(Public VIF)はS3等のAWSパブリックサービスへのアクセスに使用するものであり、プライベートな専用線通信のL2暗号化には適しません。AWS KMSはアプリケーション層の鍵管理サービスであり、レイヤー2の暗号化を提供しません。